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命令には逆らえない 

逆らうつもりもない

何故なら僕は

人殺しが好きだから

なのかも知れない

だからこそ君に

僕は会いたくなかったんだと

今更ながら思った


Mission Of Absolute

「Page:0 君の事」

 



「お父さーーーーん!!!!」


子供の叫び声が上がっても、気にはしない。
この手を止めるつもりはない。

「ごめんね? 任務は絶対なんだ」

軽く笑みを零して、僕はそれを腹部へと突き刺した。

何が起こったのかわからないという表情を浮かべた若い父親は、
口から血を体外へと吐き出した。
僕の剣は柔らかい物を通すように直ぐに背中から顔を出す。

行きと違って赤い物をべっとりとつけながら。


剣を抜き取る。
父親は地面へ倒れこむ。
娘が駆け寄る。

その様子を唯見守っていた・・・見ていた。

泣き叫ぶ少女の声は、いつの間にか振り出した雨に混じる。

ここは荒地、周りには何もない、人も居ない。
ただ永遠と響く少女の声。

「・・・し」

何かを発したが、雨で聞き取れなかった。

「・・・し、・・・ろし!」
もう、言いたいことわかる。

「人殺しーーーー!!!!」





「今日もあっさり終わらせてくれちゃったな」
「僕この仕事向いてるかも♪」
「キモ! ・・・てか、こんな仕事向きたくないだろ」
横で僕の同僚、エルダ・メイ(♂)がそんなことを言う。

僕らは、平和主義団体「神々の福音」の団員。
階級があるんだけど、僕は上の中ぐらい。
結構上の方に入るってことだね。
基本僕らの名前は偽名・・・

そういう僕の名前は、ラデュート・キア、♂。

もちろん、偽名・・・多分エルダも。
みんなファミリーネーム二文字とか偽名以外ありえない。

ちなみに言うとこの団体は偽善者団体だ。
ほとんど無差別殺戮に近い。
けれど国家は止めない、止められない。
まぁ、裏から手を回されてればそんなものか・・・

ただいま汽車に揺られながら本拠地に帰還中




もう一つ、僕は状況説明が下手だ。
だからいろいろ話が飛ぶんだよね。

ということで、もう本拠地会議室なんだよ♪

「ラデュート、帰ってきて直ぐなんだが・・・」
「さっさと言ってよめんどくさいなぁ・・・」
溜息吐いて冷めた目で見てやると上司のシャオン・クト(♀)は直ぐ話し始めた。

これが僕の最後の、最期の使命だなんて、思わなかったけど。


「新しい、情報が入ったんだ」
「特徴は?」

「光と闇を宿す少女・・・もちろん殺せ、だ」
少女? 今まで子供はなかったのに・・・
とうとう子供まで殺すようになるんで・・・
「少女まで殺すようになるとはな、この団体は本当に・・・」
「正義なわけないだろ。偽善者団体なんだから」

「脱退不可能、使命絶対遂行、罪人処刑・・・裏切ったら仲間も殺す・・・」
シャオンが溜息を吐く番になった。

この団体、入ったら最期、一生出られない。
知らずにはいる人が多く、僕もその一人だった。

世界なんて大嫌いな僕が偽善者団体になんで入ったやら・・・

「そうそう、その少女、上が言うには災厄の象徴だとか・・・」
「それこれまでに100万回ぐらい聴いたからいいや・・・」
「そうだな、今は「ヴァチア」にいる可能性があるらしい」
「はいはい、行ってきまーす」


僕の永遠に忘れられない絶対使命・・・


避けられなかったのだろうか・・・


それでも僕は何処までも気楽だった。


「少女なら数時間かな~♪」



君は・・・何故・・・

僕は・・・何故・・・


出会ってしまったんだろうか・・・


---------------------

プロローグ的な感じにしたかったんですが・・・
一応0話です。
本編は次からなので・・・

主人公次から登場です。
軽く抜けてるよう何なのか・・・
とりあえず僕(ラデュート)視点です。
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